Deep Black Box
AIのブラックボックスを、1問ずつ開けて手で動かす。全21問。
Question 17
正誤なら 点をごまかせない。ただし 正誤が付くものだけ
いま どこの話をしているのか
──
上の帯
が これまでの章と この問の位置です。
下の段
は この問の中身で、
2025年1月・DeepSeek の論文1本
のやり方です (DeepSeek-R1・arXiv:2501.12948)。
問16 と違うのは 2つ
──
人の見本の答えを 1つも使いません
。
採点するのは 人ではなく 機械
です (数値を照合したり、コードのテストを走らせたりします)。
このあと あなたに押してもらう ○✕ は、その機械の代わり
です。
いまの各社が同じやり方をしているかは、この論文には 書いていません。
Â(アドバンテージ)は 何をする数か
──
平均より上か 下か
を測る数です。
上なら 強め(+)、下なら 抑える(−)
。
ばらつきで割る
のは、問題ごとに ものさしを そろえるためです (
4つあるので 4で割る
)
4つの解答
に ○✕ を付けます(押すと入れ替わる)
 = ( r − 平均 ) ÷ 標準偏差 r = 正解 1 ・ 誤り 0
+を強め、−を抑えます。標準偏差は
4で割る
–
「正誤が付けられる」とは どういうことか
──
答えが1つに決まる
なら 機械が採点できます。
読む人によって変わる
なら 採点できません
機械で正誤が判定できるのはどれですか
0
/ 6 当たり
0
目標 6
6
–
1回だけ引く と、何回も引く
──
上の2本
は
1回だけ答えさせて 当たった率
(AIME 2024 という数学のテスト。
模範解答を使わない版
で測った値です)。
下の2本
は
何回も答えさせて 1回でも当たった率
で、
ほとんど変わりません
。
下の2本は「変わらない」ことを見せるための模式です (原典に数値はありません)。原典自身が「自分たちのやり方のせいかもしれない」と保留しています。
この問で覚えること
これが RLVR(正誤を報酬にする強化学習)です。
AIME 2024 の pass@1(%)
得る
模範解答を使わず、 正誤と形だけを報酬にして
15.6% → 77.9%
失う
模範解答をあいだに挟むと
77.9 → 59.0
に下がる
pass@1 は
何回か試した正答率の平均
で、「1回で当てた率」ではありません
原典
役に立つところ
この鍛え方が効くのは、正誤が機械で判定できるところだけです。
計算・コード・数値の照合は伸びます。
読む人によって答えが変わる仕事(文章の良さ・謝罪の誠実さ)は、ここでは伸びません。伸びたという話が来たら、何を正解にしたのかを先に聞きます。
summary
いま「作る工程」の話か、「使い方」の話か
作る工程は順番があり、後戻りできません。使い方は順番がなく、組み合わせます。
「AIは平均に流れる」と「数学オリンピックを解く」は別の段の話です。
next
ここから先は、あなたが手を動かす番です
次の章だけは、この入れ子の外です。道具が変わります。